大豆

糖尿病の人はパンとご飯どちらが炭水化物摂取制限に適している?大豆パン、全粒粉パンという選択も

糖尿病の人は、炭水化物の摂取を制限する必要があるため、パンやご飯などの炭水化物を選ぶ際には注意が必要です。結論から申しますと、一般的には、糖尿病の人にはバターや食塩を使用していない、ご飯の方をおすすめします。しかし、パンの種類によっては、白米を使用したご飯よりも血糖値をコントロールしながら食べることができるパンもある、ということを、この記事で知っていただければ嬉しいです。

糖尿病の炭水化物制限

糖尿病は、血糖値が高くなり、そのままにしておくと長期的に健康に悪影響を与える病気です。食事による血糖値の上昇を抑えるために、炭水化物を制限することが推奨されます。炭水化物は、主に、米、パン、麺類、芋類、果物などに含まれる栄養素です。糖尿病の人は、特に一食あたりの炭水化物の量を調整する必要があります。具体的には、一般的な炭水化物の摂取量が、1食あたり45~60グラムとされていますが、糖尿病の人の場合は1食あたり40グラム程度に抑えることが望ましいとされています。また、炭水化物の種類によっても血糖値の上昇度合いが異なるため、糖尿病の人は、消化吸収が遅く、血糖値の上昇が緩やかな食品(例えば、食物繊維が豊富な野菜や果物、全粒穀物、豆類など)を、積極的に摂ることが推奨されます。

低GI値食品とは

消化吸収が遅く、血糖値の上昇が緩やかな食品は、一般的に低GI値食品と呼ばれます。GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、炭水化物が食後に血糖値を上げる速度を示す指標です。GI値が低い食品は、血糖値の上昇が緩やかなため、糖尿病患者にとっては適切な食品とされています。GI値が低い食品には、野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツなどが挙げられます。これらの食品は、食物繊維が豊富であり、消化吸収が遅く、血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病の人にとっては有効な食品とされています。

ご飯とパンのGI値の比較

ご飯とパンのGI値は、種類や調理方法によって異なりますが、一般的には以下のような傾向があります。

白米 約73~83
白パン 約70~85
玄米 約50~55
全粒パン 約50~70
大豆パン 約50~70

一般的には、玄米や全粒パン・大豆パンの方はGI値が低く、血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病の人にとっては適切な選択肢とされています。

GI値の読み方

GI値は、100を基準として、その食品を摂取したときの血糖値の上昇度合いを示します。GI値の読み方は、以下の通りです。

  • 70以上:高GI食品
  • 56〜69:中程度GI食品
  • 55以下:低GI食品

大豆パン(糖尿病用のパン)とは?

大豆パンは、小麦粉の代わりに大豆粉や豆腐を使用して作られたパンのことを指します。通常の小麦粉を使用したパンに比べ、糖質が少なく、食物繊維やタンパク質が豊富に含まれています。大豆パンのGI値は、製法や材料によって異なるため、一概には言えませんが、一般的には全粒パンと同程度か、それ以下の低い値が示されています。糖尿病の人の場合、血糖値の急激な上昇を避けるために、炭水化物の摂取を制限する必要があります。大豆パンは、糖質が少ないため、血糖値の上昇を緩やかにすることが期待できます。また、大豆パンに含まれる食物繊維やタンパク質は、血糖値の上昇を抑える効果があるため、糖尿病の人にとって有効な食品とされています。

大豆パンを作る

【材料】
大豆粉 100g
薄力粉 50g
ドライイースト 小さじ1/2
塩 小さじ1/4
オリーブオイル 大さじ1
水 120ml

【作り方】

1 大豆粉、薄力粉、ドライイースト、塩をボウルに入れて混ぜる。
2 オリーブオイルを加え、混ぜ合わせる。
3 水を少しずつ加えながら、粉類と混ぜる。
4 なめらかな生地になるまでこねる。
5 ボウルに生地を戻し、ラップで覆い、約1時間発酵させる。
6 生地を取り出し、軽くこねてから好きな形に整える。
7 オーブンを180℃に予熱する。
8 オーブンシートを敷いた天板に、生地を並べる。
9 オーブンで約20〜25分焼く。

栄養成分
エネルギー 747kcal
たんぱく質 41g
脂質 38.1g
炭水化物 71.1g
大豆パンは、通常のパンよりも、ややしっとりした食感で、風味も豊かです。

大豆パンを買う

スーパーマーケット、健康食品店、ベーカリー、オンラインストアなどで購入することができます。大手のスーパーマーケットでは、健康食品コーナーやパンコーナーで、大豆パンを取り扱っていることがあります。健康食品専門店やオーガニックフード専門店では、大豆パンを扱うことが多いです。また、オンラインストアでも、多くの種類の大豆パンを購入することができます。一部のパン屋さんでも、大豆パンを取り扱っているところがあります。地域によって入手できる場所が異なるので、近くのスーパーマーケットや健康食品店、パン屋さんで探してみましょう。

まとめ

糖尿病になってしまっても、全粒粉パンや大豆パンを選ぶことで、上手に血糖をコントロールしながらパンを食べることができます。糖尿病は、長いお付き合いになってしまう病気です。食べ過ぎと過剰なストレスに気をつけて、無理のない範囲で、適度な運動習慣とバランスの良い食生活を実践していきましょう。処方されているお薬や個人差もありますので、食事に関する不安は一人で悩まずに、かかりつけの医師や管理栄養士に相談してみてくださいね。

さえさん

さえさん

保育園給食・大学学食運営・高齢者介護施設での勤務を経験した管理栄養士です。乳幼児期から高齢期までのライフステージに仕事で関わりを持つことで幅広い年代の栄養と食事に関する問題や悩みの解決に取り組んできました。無理なく続けられる健康的な食生活を個人の生活習慣に合わせて提案していくことを心がけています。

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