豆乳バターや豆乳生クリームが人気です。利用するかどうか迷っている方に、従来の牛乳から作られたバターや生クリームとの違いをご紹介します。健康に良さそうで、アレルギーのある人にもおすすめの食材ですが、気になる味や、トランス脂肪酸についても解説しますので参考にしてください。
豆乳バターと豆乳生クリームの栄養素を比較
豆乳バターと普通のバター、豆乳生クリームと普通の生クリームの違いを、含まれる栄養成分で比較してみました。
豆乳バターと普通のバターの栄養素
まずは、豆乳バターと普通のバターの栄養素を比較する一覧表を作成しました。豆乳バターは、『ソイレブールラフィーネ 不二製油』の成分を参考にしています。ソイレブールラフィーネ 不二製油は、国内産植物油と大豆粉、豆乳クリームを主原料として作られた豆乳バターです。
豆乳バター バター(無塩バター) カロリー 712kcal 720kcal タンパク質 1.8g 0.5g 脂質 78.0g 83g 炭水化物 0.7g 0.2g 塩分 0.2g 0 豆乳バター参照元:ママパンWEB本店
バター(無塩バター)参照元:文部科学省 食品成分データベース
カロリー(熱量)は、普通のバターと同じくらいですが、タンパク質が多いことが特徴です。
豆乳生クリームと普通の生クリームの栄養素
豆乳生クリームと、牛乳から作られる普通の生クリームの栄養素を比較してみましょう。豆乳生クリームは、メーカーや商品によって成分が異なります。「豆乳入り生クリーム」というような商品なら、豆乳の割合が低いため、タンパク質が少なくなると同時に、カロリーが高くなります。今回は、まろやか豆乳ホイップ 「濃久里夢(こくりーむ)ほいっぷくれーる」の成分を参考にしました。
豆乳生クリーム 生クリーム カロリー 361kcal 404kcal タンパク質 1.7g 1.9g 脂質 37.4g 43g 炭水化物 4.5g 6.5g 塩分 0.2g 0.1g 豆乳生クリーム参照元:cotta
生クリーム参照元:文部科学省 食品成分データベース
また、「豆乳生クリーム 作り方」で検索すると、市販の豆乳から作るレシピも見つけられます。市販の豆乳から作ると、よりタンパク質含有量が増え、低カロリーの豆乳生クリームが作れます。ただし、硬く泡立てるにはコツがいります。
豆乳生クリーム・豆乳バターは豆くさい?
マイルドな味わいで、バター独自の風味は少なめですが、特に豆くさいということもありません。風味に関しては個人の嗜好にもよるので、Twitterや販売サイトに掲載されている数多くの口コミをチェックしました。豆くさいという口コミは、見つかりませんでした。一方で、「普通のバターより、とてもまろやかであっさり」といった口コミが多く、和食レシピにもぴったり、という意見が多い傾向です。牛乳から作ったバターが好きな方には、物足りなさがあるかもしれませんが、好みの味付けにしやすいというメリットがあります。
豆乳生クリームの賞味期限
一般的な牛乳由来の生クリームの賞味期限は、未開封の状態なら約1週間です。開封したら、1~2日で使い切ってしまう必要があります。豆乳で作られた生クリームは、開封しなければ、商品によりますが90日ほど保存可能です。そのためストックしておけるので、幅広い料理に利用できます。しかし開封したら、従来の生クリームと同様に、すぐに使い切ってしまいましょう。
食べる人を限定しない豆乳由来の食品
豆乳を利用した生クリームやバターは、以下のような方々も食べられる点がメリットです。
- ヴィーガンやベジタリアン
- 乳製品のアレルギーのある人
- マクロビオティックを目指す人
- 宗教などの理由で動物性の食品を摂取できない人
マクロビオティックとは、穀物や野菜、海藻といった、日本の伝統食を中心にして、動物性の食品を極力控えた食事方法です。自然とのバランスをとりながら、健康的な生活をキープしていきます。ヴィーガンやベジタリアンだけではなく、乳製品などの動物性食品を控えたいという人が増えているので、豆乳由来のバターや生クリームで作ったお菓子は喜ばれます。初めて食事に招待するときも、相手の事情や食事の傾向を確認しなくても大丈夫です。ただし、豆乳バター、豆乳生クリームとして販売されている商品の中には、コクを出すために乳製品を添加している商品があります。特に、乳製品アレルギーがあるために、豆乳製品を利用したい方は、原材料に注意が必要です。必ず、確認して購入しましょう。
豆乳バターや豆乳生クリームは危険?
ネット上で見た、豆乳バターや豆乳生クリームは、トランス脂肪酸が含まれていることが原因で体に悪い、という情報が本当かどうか確認しました。まずは、最初にトランス脂肪酸とは何かを説明します。
トランス脂肪酸は、植物油を加工する時に発生しますが、自然な状態の動物由来の食品(バターや生クリーム)にも含まれています。トランス脂肪酸は過剰に摂取すると、心筋梗塞などの原因となるため、海外で規制されている国が多く存在します。WHO (世界保健機関)は、健康のためにトランス脂肪酸を総エネルギー摂取量の1%未満にするように推奨しています。しかし、日本人の場合は、トランス脂肪酸を多く取っている人(摂取量の多い方から上位5%)でも男性で0.70%、女性で0.75%しか摂取していません。WHOの基準値より少量であることがわかっています。また、近年販売されている、豆乳生クリームや豆乳バターに含まれるトランス脂肪酸は、従来の生クリームやバターと比較しても少ない、とメーカーが発表しています。
豆乳バターや豆乳生クリームで食卓を豊かに
豆乳バターや豆乳生クリームの栄養素や風味、賞味期限などを、従来のバターや生クリームと比較してご紹介しました。お豆腐屋さんが作っているものなど、さまざまなメーカーが提供しているので、内容をじっくり比較して、ニーズにあった豆乳バター・豆乳生クリームを選んでください。