大豆は、日本人の食生活に欠かせない食材の一つとなっていて、調味料や加工食品など、様々な食べ方があります。そんな大豆は近年、美容効果が期待できることで注目されていますが、美容だけではなく、健康食品としてもその効果が期待ができることは知っていますでしょうか?こちらでは、大豆に含まれる栄養素や、その栄養素が身体にとってどのような働きをしているのか、詳しく解説していきましょう。
大豆に含まれる栄養素とは
大豆といえば、イソフラボンや、レシチン・サポニンなどの栄養素が含まれていることで注目されている食材ですが、これらの微量成分以外の栄養素はどのようになっているのか、紹介します。
厚生労働省が出しているデータによれば、国産大豆の栄養素は下記のとおりです。
栄養素 含有量 タンパク質 35% 炭水化物 28% 脂質 19% 水分 13% 灰分 5%
このようになっていて、100グラムあたり35グラムものタンパク質が含まれています。ちなみに、「灰分」というのはカルシウムや鉄分、ナトリウムやマグネシウム、リンやカリウムなどの、ミネラル成分のことを指します。日常的に不足しがちなミネラル成分も豊富なので、大豆がどれほど健康に良い食品なのかが、分かると思われます。タンパク質は、動物性だと牛肉や豚肉などの肉類に多く含まれていますが、動物性タンパク質の場合は、脂質やコレステロールの問題が気になる人も多いです。そのため、摂取するタンパク質の一部を、大豆などの植物性たんぱく質に切り替えることで、肥満防止や心血管疾患のリスクを軽減させることが期待できます。
大豆に含まれる栄養素が身体にどのような影響を与えるのか
大豆に含まれる栄養素の大部分は「植物性たんぱく質」です。成人以上の人が、1日にどれくらいのタンパク質を摂取したほうが良いのかという内容については、下記の表のようになります。
男性
必要量 推奨量 18歳~64歳 50グラム 65グラム 65歳以上 50グラム 60グラム 女性
必要量 推奨量 18歳~64歳 40グラム 50グラム 65歳以上 40グラム 50グラム
このように、男女と年齢によって推奨量は異なりますが、おおよそ40グラム~65グラムのタンパク質を摂取したほうが良いとされています。これらのタンパク質を大豆だけで摂取しようとすると、120グラム~200グラム程ですが、かなりの量になると思われるため、大豆だけで摂取するのは難しいかもしれません。それでは、タンパク質が人間の身体の中でどのような働きを持っているのか、解説します。少し大げさに聞こえるかも知れませんが、タンパク質は人間が生命活動を行うための基本的な要素となっています。
タンパク質の主な働きは、下記の3つが挙げられます。
- 自分と同じ細胞を作り出す自己増殖能力
- 栄養分を取り入れて新陳代謝を行う能力
- 外界の変化に合わせて内部環境を調整する能力
このようになっていて、簡単に言えば、若い細胞を作り出し続けて、他の栄養素が身体に吸収される際の手助けを行い、さらに、外部の環境に合わせて体内の環境を調整する働きを持っているということです。タンパク質は肉や魚に多く含まれていますが、総合的な栄養素で比較をすると、大豆のほうが優れている点があることは上記でも紹介したとおりです。
タンパク質の摂取量が少なくなると、様々な弊害が出てくる恐れがありますが、主に下記の事柄が挙げられます。
- 筋肉量が落ちて疲れやすくなる
- 免疫機能が低下して病気に罹りやすくなる
- 髪や皮膚が弱くなり、若々しさが失われる
このようにデメリットがかなり多いです。
もちろん大豆には、タンパク質以外にも、コレステロールを低下させることが期待できる大豆レシチンや、骨粗鬆症の予防や更年期の不調の改善するといわれているイソフラボンなども含まれているので、かなりメリットの多い食材となっています。
日常的に大豆を摂取するためにはどうすれば良いのか?
日常的に大豆を摂取すると聞くと、難しく感じるかも知れませんが、以下のような方法であれば、1日の食事の中で大豆を摂取することは難しくありません。こちらでは具体例を交えて紹介していきましょう。多くの人は1日に3回の食事をすると思われます。人によっては1日1食とか2食というケースもあるかも知れませんが、ここでは、「朝食・昼食・夕食」の3回の食事を想定して紹介します。まずは朝食についてですが、朝食では白米派かパン派で分かれます。白米派の場合は、豆腐の味噌汁に納豆があれば十分です。パン派の場合は、味噌汁や納豆を食べるのは難しいと思われますので、ここで役立つのは「豆乳」です。調整豆乳とパンを食べても良いですし、無調整豆乳をコーヒーに入れてカフェオレにして飲むというのもオススメです。ホームベーカリーなどで、自作のパンを食べるというような場合は、パン種の中にきな粉を入れることで、大豆の摂取量をアップさせることもできます。朝から食事をすること自体が難しいという場合は、豆乳にフルーツを入れたものや、温めた豆乳に、醤油やネギなどをトッピングしたものを飲むだけでも十分です。昼食の場合は、大豆製品を摂取するのが難しいように思うかもしれませんが、定食屋に冷奴でもあれば十分でしょう。最近では、コンビニの惣菜コーナーでも、大豆の蒸し煮や大豆の加工食品が置いてあるので、そういったもので済ませるのも良いかも知れません。夕食は、豆腐の味噌汁や焼き豆腐、おからを使った一品にがんもどきなど、使える加工食品はたくさんあります。夕食で余ってしまったら、次の日の朝食で食べることもできるので、少しくらい多く作っても問題ありません。また、豆乳や豆腐を使ったレシピは山のようにあるので、そちらをメインにしても良いでしょう。
このように、大豆の加工食品で日本人の食事に合うものはたくさんありますので、少し料理が出来る人ならば、誰でも簡単に大豆を摂取することができます。
まとめ
今回は大豆と健康の関係性について紹介しました。大豆を「豆」と認識すると摂取するのは難しいかも知れませんが、大豆を使った加工食品を私たちは日常的に食べています。少し意識するだけで日常的な健康を手に入れることが期待できるので、まずは、身の回りの大豆製品から考えてみると良いでしょう。アレンジレシピとしては、豆乳が思っている以上に役立ちます。牛乳の代替食品になるだけではなく、豆乳独自の風味が料理に良い影響を与えるものもあるので、気になる方は色々と試してみてください。