古くより多くの加工を施され、私達の食卓に上ってきた大豆は、現代でも「畑の肉」と呼ばれるほど、その小さな一粒に大きな栄養を秘めている食品です。しかし、大豆には豊富な栄養があるから身体にとても良い、と言われても、具体的に何が良いのかはあまり詳しく知られていません。また、大豆といえば、味噌や醤油などが海外でも日本料理に使用されている事から、大豆といえば日本の国民食、というイメージがついていますが、海外ではどれほど生産されているのでしょう。
ここでは、以上のような疑問を解決するために
- 大豆の栄養成分と働き
- 国内の主な産地
- 海外の主な産地
以上3つについて、具体的に説明していきます。
大豆がどう身体に良いのか知りたい方や、大豆を献立に取り入れたい方はぜひ、参考にしてみてください。
大豆の豊富な栄養成分と働き
大豆には5大栄養素と呼ばれる基礎的な栄養素が含まれており、最も多くの割合を占めているのが大豆の栄養素として有名なたんぱく質です。大豆に含まれるたんぱく質の量は、平均的には79gほどで、魚類よりも多く含まれているという結果が出ているほどです。さらに大豆には、タンパク質や5大栄養素だけでなく、多くの栄養成分が詰まっています。それでは早速、一体どんな栄養、成分が含まれているのか、具体的に見てみましょう。
大豆の栄養成分
大豆にはタンパク質が多く含まれますが、他にも脂質、糖質、ビタミン、ミネラルも含んでいる優秀な食品です。脂質は、質の高い脂質を摂る事で、身体の程よい肉付きを保ってくれるため、ダイエットにより必要な脂肪が減少する事を防いでくれます。また糖質は、身体全体に必ず必要となる栄養素ですが、こちらを炭水化物で摂取すると高カロリーとなりやすいです。そのような場合には、大豆製品を代わりに取り入れる事で糖質を補う事が出来ます。ビタミンはB1、Eを含み、抗酸化作用によって、身体の若さを保つことに大きな役割を果たしてくれます。
ミネラルは葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、と豊富な栄養素が含まれており、特に葉酸や亜鉛、銅など、女性の体質に特に嬉しい成分も多くあるため、女性で貧血に悩む方は、日ごろから大豆や大豆の加工品を取り入れてみましょう。
また、大豆に含まれているタンパク質は、肉や卵のタンパク質とは違い、コレステロールが含まれません。
さらに、必須アミノ酸という、人体に必要不可欠な栄養素がバランスよく入っているため、肉や卵による栄養素だけでは足りない成分を補う事が出来ますので、肥満によるコレステロールが気になるものの、タンパク質やアミノ酸は摂りたいという方、ダイエットをしていて健康に気を使っているという方に、大豆は強い味方となります。
大豆に含まれる成分の働き
栄養素の他に、大豆特有の成分にも、人体へ重要な役割を果たしてくれる存在が複数あります。栄養素の紹介では、大豆にはコレステロールがほとんど含まれていない、とご紹介しました。さらに嬉しいことに、大豆にはコレステロールが含まれていないだけでなく、コレステロールを低下させてくれる、大豆レチニンと呼ばれる栄養素が含まれています。その他にも、腸内環境の改善に大切となるビフィズス菌のえさとなり、ビフィズス菌が増える元となってくれるオリゴ糖、ビタミンによる抗酸化作用、血中脂質を下げてくれる働きを持つ大豆サポニン、骨粗鬆症や更年期の改善に大切なイソフラボンが含まれており、大豆によって多くのポジティブな効果が一気に得られると期待できます。
毎日継続的に大豆を摂取する事で、肥満対策から老後の病気対策まで、幅広くカバーしてくれる大豆。摂取目安量は100gと多量のため、様々な形で取り入れるようにしましょう。
国内外における大豆の産地
大豆は日本料理に多く使われている事から、海外でも大豆の加工品である味噌を使用した味噌汁の事を「ミソスープ」と呼ぶほど、大豆といえば日本、というイメージが強いです。日本では、年間434万トンもの大豆を消費しています。その内、国内で生産された大豆はわずか23万トン。
しかも、その大半はサラダ油や大豆加工品である豆腐やみそ、しょうゆ等に加工されていきます。よって、豆として食する大豆は、ほとんどが輸入しているものなのです。それでは、いつも食している大豆は一体どこから輸入しているのか、また国内では特にどこでの生産が盛んなのか、詳しく説明していきます。
国外での大豆産地
国外での産地は、主にアメリカ、ブラジル、アルゼンチン、中国、インド、パラグアイです。一見、大豆とは縁が遠そうな国ですが、それぞれ、ポークビーンズや麻婆豆腐、ビーンズカレーなど、多く豆類が使用された料理が有名となっています。また、先ほど記載した国は、日本が大豆の輸入を行っている国でもあり、大半は国内生産の大豆と同じく、油加工へと消えていきますが、そのまま袋詰めにして販売されているものもあれば、大豆食品、大豆ミートやソイオイルへ加工されてスーパーに並んでいるものまで、海外の大豆は多くのものに変わって私達の食卓にあがっているのです。
国内での大豆産地
国内での大豆産地は、多い順で北海道、秋田、宮城、新潟、栃木となっており、全体的に北に行くにつれて生産量が多いという結果になりました。なお、国内で生産されている大豆は、海外で生産されている大豆よりもタンパク質が豊富に含まれているため、豆腐作りがしやすいとされています。この違いの理由は、海外での大豆は油を抽出するために育てている場合が多く、脂質が増える分、タンパク質が国産の大豆と比べると少なくなるためです。一方で、国内で生産している大豆は豆腐の製作を目的にしているため、固める際に必要となるたんぱく質を多く含んだ大豆の生産が多くなりました。このため、タンパク質をより多く摂取したい場合には、国産の大豆を選択して購入する事がポイントとなります。
まとめ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。大豆には5大栄養素の他にも、多くの身体に嬉しい成分が含まれている食材。国外産の大豆にももちろん、特に国内産の大豆には、豊富なたんぱく質が含まれているため、この記事を読んで気になった方はぜひ、日常に色んな形で大豆を取り入れてみましょう。