大豆

大豆粉。最近、よく目にする大豆粉とは?大豆粉の栄養価や期待できる効果とは?何に使用されている?

大豆粉ってどんなもの?

最近では、スーパーなどでも大豆粉をよく見かけるようになりましたが、いったい大豆粉とはどんなものなのでしょうか?大豆粉とは、一般的に、生または低温で焙煎した大豆を、丸ごとパウダー状にしたもののことで、色は小麦粉より黄色っぽいです。「大豆パウダー」や「豆乳粉」と呼ばれることもあり、種類もメーカーによって多種多様です。製粉する際に、大豆の細胞を傷つけないよう、あえて粗く製粉しているメーカーや、使いやすいように微粉末にしているメーカーなど、さまざまです。近年、健康を意識した食への関心が高まり、栄養バランスに優れた大豆粉は、小麦粉や米粉の代わりに使う方も増えてきており、植物性タンパク質を多く含むため、ヴィーガンやベジタリアンの方にも重宝されています。
それでは、次に大豆粉の栄養価についてお話したいと思います。

大豆粉の栄養価は?期待できる効果は?

大豆粉の原料である大豆は、肉に匹敵するほどのタンパク質を含むため「畑の肉」といわれています。大豆タンパク質には、人の体に必要な必須アミノ酸がバランス良く含まれています。タンパク質はアミノ酸でできており、人間の体も20種類のアミノ酸で構成されています。20種類のアミノ酸のうち、人間の体内で作り出すことのできる必須アミノ酸11種類と、体内では作り出せない必須アミノ酸9種類に分類されます。そのため、体内で作り出せない必須アミノ酸は、食品から摂取しなければなりません。どのアミノ酸が不足しても、筋肉や血液、骨などの合成ができなくなってしまい、体力や免疫力が低下してしまいます。そのタンパク質を構成する必須アミノ酸は、食品によって含む内容が異なるため、体内で作り出せない9種類の必須アミノ酸を、バランス良く含んでいる食品を摂取することが大切です。

タンパク質に含まれる9種類の必須アミノ酸のバランスを数値化したものを、アミノ酸スコアといい、大豆の必須アミノ酸スコアはすべて100を超えており、とても優秀な食品といえます。もちろん牛肉や豚肉、卵もタンパク質が豊富で、アミノ酸スコアも大豆同様に100ですが、バランス良く含まれているのは大豆なのです。

大豆には、タンパク質以外にもイソフラボンや食物繊維、サポニン、レシチン、ミネラルなどの栄養素を多く含んでいます。大豆イソフラボンという名前はよく耳にすると思いますが、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをする為、更年期や月経痛のつらい症状を和らげたり、骨粗しょう症予防、肌荒れを改善するなどの効果が期待できます。食物繊維は脂質、糖分、ナトリウムなどを吸着し体外に排出する働きがあるため、腸内環境を整え、便秘の予防・改善に繋がります。また、糖やコレステロールの吸収速度を緩める効果もあり、生活習慣病の予防や改善への効果が期待されています。

大豆サポニンには抗酸化作用があり、脂肪の蓄積を抑え、肥満予防が期待でき、またLDLコレステロールの蓄積を抑えることによって、動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
また、脂質の量が肉類より少なく、糖質も小麦粉の1/3ほどの量なので、大豆が原料である大豆粉は、糖質制限されている方やダイエットをされている方に、とても重宝されています。
そのうえ、大豆にはグルテンが含まれないため、グルテンフリーの方にも小麦粉の代わりによく使われています。

何に使用されている?

上記では大豆粉の栄養価についてお話してきましたが、次は実際に、大豆粉をどのように使えばよいのか、お話したいと思います。最近は、スーパーで手軽に大豆粉を購入することができますので、まずは、一度手に取ってみてください。生大豆粉や焙煎大豆粉などがありますが、焙煎大豆粉も生に近い状態なので、特に何も記載がない場合は、基本加熱調理をして食べるようにしましょう。

また、そのまま手軽に飲み物に入れたり、ふりかけて摂取したい方は、そのまま食べられるように加工されている大豆粉を選ぶようにしましょう。大豆粉は、小麦粉や米粉の代用として、いろいろなものに使えます。パンやお好み焼き、たこ焼き、チヂミなど、主食タイプの食べ物は、小麦粉の代わりに大豆粉を使えば、糖質を抑えられると同時に、タンパク質も豊富に摂取できます。

しかし、ここで注意したい点は、大豆粉にはグルテンが含まれていないため、生地がまとまりにくいという性質があります。水分量を増やしたり、小麦粉の分量をすべて大豆粉に変えるのではなく、使用する小麦粉の一部や半分を大豆粉に変えるなどして、自分好みのレシピにアレンジして作ってみるのもいいでしょう。

他にも揚げ物の衣に使ったり、餃子の皮を作ったりもできます。スイーツでは、クッキーや蒸しパン、パンケーキ、マフィンなどの洋菓子から、団子やどら焼きなどの和菓子にも、幅広く使用できます。スイーツ作りに使用する場合も、やはり大豆粉にはグルテンが含まれていないため、ふんわり仕上げるのが難しいので、ベーキングパウダーを加えたり、水分量を調整したりする必要があります。しかし、クッキーなどは、ほろほろっとした食感になり、大豆の風味も加わり素朴な味わいになります。もし大豆の風味が気になる場合は、アーモンドプードルやバニラエッセンスを加えたり、生地に抹茶やココアを加えるなど、色々な味の変化を楽しんでみてください。

最後に

このように、小麦粉の代わりに大豆粉を使うと、高タンパク質、低糖質で食物繊維も摂取でき、とても栄養価が高くなります。生活習慣病の予防に役立つ効果が期待され、糖質制限やダイエットをしている方には最適です。しかし、大豆粉は決して低カロリーというわけではありませんので、摂取する量には気を付ける必要があります。どの食材でもそうですが、偏った摂取の仕方はよくありません。毎日の食事に少しづつ取り入れ、バランスの良い食事になるよう上手に活かしましょう。

森本直子

森本直子

大阪府出身、大学卒業後4年就職した後、以前から興味があった栄養士の専門学校へ行き、栄養士の資格を取得。その後子育てをしつつ野菜ソムリエ、ナチュラルフードコーディネーター、冷凍生活アドバイザーの資格を取得。資格に加え、2児の母として、また両親の介護を通して経験した事を活かし、食を通して今後も活動できればと思います。

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