大豆は、古くから日本で親しまれている食品です。身体にも美容にも良いと聞きますが、きちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。この記事では、大豆と美容の関係にスポットを当て、詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、日々の食事に大豆を取り入れていきましょう。
そもそも大豆とはどんな食べ物?
大豆は、マメ目マメ科に属する一年草で、種子を食用とする穀物の一種です。米や麦、粟(あわ)や稗(ひえ)と並ぶ五穀に数えられており、「畑の肉」と言われるほど、非常に多くのタンパク質が含まれています。そのほかにもビタミンやミネラル、脂質など、身体に欠かせない成分が含まれており、高い栄養価が特徴と言えるでしょう。なお、大豆は、味噌や醤油などの調味料から、以下のような食品までさまざまな形に加工されています。
- 豆腐
- 油揚げ
- 納豆
- きな粉
- 豆乳
このように、大豆は日本の食卓になくてはならない食品と言えるでしょう。
大豆に含まれる3つの美容成分を解説!
ここでは、大豆に含まれる3つの美容成分を解説します。
- 大豆イソフラボン
- 大豆サポニン
- 大豆ペプチド
それでは詳しく見ていきましょう。
1.大豆イソフラボン
大豆イソフラボンとは、大豆に含まれている成分で、ポリフェノールの一種です。大豆一粒の中に、わずか0.2〜0.4%程度しか含まれていない貴重な成分で、おもに胚芽(大豆の発芽する部分)に含まれています。
大豆イソフラボンの美容効果
大豆イソフラボンが、美容に効果があると言われている理由は、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることにあります。エストロゲンは、美肌ホルモンとも言われており、肌内部のコラーゲンの生成を促進し、肌のハリやツヤを生み出します。そのほかにも、肌の新陳代謝を促進したり、髪のパサつきを改善したり、女性にとって嬉しい美容効果が期待できます。
しかし、体内で分泌されるエストロゲンは、加齢によりどんどん減少していき、次第に肌老化を引き起こしていきます。そこで、同じような働きをする大豆イソフラボンを摂取してエストロゲンを補うことで、さまざまなトラブルを予防でき、結果として健やかな肌や髪を手に入れることが期待できるのです。
大豆イソフラボンの摂取方法
大豆イソフラボンは、大豆や大豆製品など、手軽に摂れるものに多く含まれています。ただ、大豆の種類や加工方法の違いによって、その含有量には違いがあります。
- 豆乳200ml…50mg
- 納豆1パック…3mg
- 豆腐1丁…7mg
- 味噌汁1杯…6mg
- 醤油1かけ…0.08mg
大豆イソフラボンの1日の摂取目安量は、70mg〜75mgです。普段大豆製品を食べる習慣がないという人は、サプリメントも活用してみると良いでしょう。
2.大豆サポニン
大豆サポニンとは、大豆に含まれる苦みや渋みの主成分です。泡立つ性質を持っており、大豆を茹でたときに出る泡や、アクの中に多く含まれています。
大豆サポニンの美容効果
大豆サポニンが美容に効果があると言われている理由は、「活性酸素」が増えすぎるのを抑える働きをすることにあります。私たち人間の体は、酸素を取り入れてエネルギーを作っており、取り入れた酸素の一部は活性酸素に変化します。活性酸素は細菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をする一方、逆に増えすぎてしまうと「酸化」によるダメージを受けてしまい、結果として老化につながってしまいます。大豆サポニンは、その活性酸素を除去する「抗酸化作用」が強いため、老化の予防に効果的と言われています。抗酸化作用は、20代をピークに加齢とともに減少していくので、積極的に摂りたい成分と言えるでしょう。
大豆サポニンの摂取方法
大豆サポニンは、大豆・大豆製品に含まれています。大豆そのものを多く摂取するのはなかなか難しいため、大豆製品をうまく活用すると良いでしょう。豆腐、納豆などありますが、中でも、高野豆腐にサポニンが豊富と言われており、おすすめです。また、サポニンは水に溶けやすい性質を持っているため、調理方法にも工夫が必要です。茹でる・煮るなどの調理をすると、栄養がゆで汁ごと逃げてしまうため、蒸すなどの調理方法が良いでしょう。
3.大豆ペプチド
大豆ペプチドとは、タンパク質の分解過程でできる物質です。 タンパク質は体内に取り込むと、消化酵素によってアミノ酸に分解され小腸で吸収しますが、アミノ酸が分解されなかったタンパク質の一部は、アミノ酸がいくつか結合したままの状態で吸収されます。それが大豆ペプチドです。タンパク質とアミノ酸の中間のようなものだと考えると、わかりやすいでしょう。
大豆ペプチドの美容効果
大豆ペプチドが美容効果に期待される理由は、「肝機能」を向上させる働きをすることにあります。人間の肝臓は、腸から流れこんでくるアルコールや食品添加物、薬剤などの有害物質を無毒化して、尿などで排出する働きをしています。しかし、何らかの理由で肝臓の機能が低下していると、毒素を速やかに処理できず、体内に蓄積してしまいます。その結果、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを引き起こしてしまいます。また、肝臓は、ターンオーバー(肌の新陳代謝)とも関係があります。肝臓の代謝機能が低下すると、肌の生まれ変わりのサイクルが乱れて、古い角質層がうまく排出されず、シミの原因となってしまうのです。肝機能を向上させる大豆ペプチドは、シミを予防するほか、アミノ酸バランスも良く、シワの軽減も期待されており、優れた成分と言えるでしょう。
大豆ペプチドの摂取方法
大豆ペプチドは、大豆のタンパク質が発酵することで生成されます。微量ですが、発酵食品の納豆や味噌、醤油などに含まれています。また、発酵させずに加工した大豆製品を食べた場合も、消化酵素により大豆ペプチドが体内で生成されますが、より効果的に摂取するためにはサプリメントの活用も考えると良いでしょう。
大豆を摂取するときの注意点
大豆を摂取するときに、特に気をつけたいのが大豆イソフラボンで、過剰摂取すると女性ホルモンのバランスが崩れ、月経周期の延長や、子宮内膜症のリスクが高まる可能性があると言われています。そこで、食品安全委員会は大豆イソフラボンの摂取目安量を設定し、1日あたり70mg〜75mgとしました。ただ、日本は、古くから多種多様な大豆製品を食べる文化が根付いており、この摂取量を超えるとただちに問題が起こるということではありません。どの食品にも言えることですが、バランスの良い食生活を心がけるようにしましょう。
まとめ
大豆は美容に良い成分がさまざま含まれており、積極的に取り入れていただきたい食品です。ぜひ、大豆を日々の食事にバランス良く取り入れ、美肌を手に入れましょう。