大豆

血糖値を下げる、血糖値の急上昇を予防すると言われている大豆はどのように食べれば効果的?

「血糖値を下げるには大豆を食べるとよい」と聞いたことがあるものの、具体的にはどのように食事に取り入れたらよいか、わからずに困っていませんか?健康診断や病院の血液検査で、血糖値が高いと言われてしまった場合には、とくに早めの対応策が知りたいですよね。大豆は簡単に食事にプラスでき、血糖値とも深い関わりがあるとされる食品です。この記事では、血糖値を気にしている方向けに以下の内容を解説します。

  • 高血糖が続くことでの身体への影響
  • 大豆と血糖値の関係
  • 大豆を食事に取り入れるコツ

ぜひ最後までお読みください。

高血糖が続くことによる身体への影響

まずは、血糖値が高い状態が続くことによって、身体にどのような影響があるのかを見ていきましょう。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。ごはんやパンなど、食事中に摂った糖質が、体内で消化・吸収されてブドウ糖に分解され、血液に入ります。血糖値が上昇すると、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きにより、ブドウ糖が細胞に取り込まれ、身体を動かすエネルギー源として利用されます。血糖値は、食事の影響から食前・食後で変化が生じますが、血糖値が高いまま下がらない状態が続くことを、「高血糖」と呼んでいます。慢性的に高血糖が続いてしまうと、血管が傷つくことによって動脈硬化を引き起こしたり、糖尿病になったりするなど、さまざまな生活習慣病を発症する恐れがあります。そのため、高血糖と言われてしまった場合には、早急に生活習慣を見直すことが大切です。

血糖値と大豆の関係とは?

実際に、「血糖値を下げるには大豆を食べるとよい」と言われる背景には、どんな理由があるのでしょうか?実は大豆には、血糖値が上昇した際に膵臓から分泌される「インスリン」との深い関わりがあるといわれています。

アメリカのマサチューセッツ大学の研究では、イソフラボンを豊富に含む大豆を食べると、糖尿病と心臓病のリスクが減少することが明らかになりました。

引用:マサチューセッツ大学アマースト校「大豆が糖尿病のリスクをどのように軽減するか

国立研究開発法人国立がん研究センターの多目的コホート研究によると、大豆に含まれるイソフラボンは、体内でインスリン感受性を改善することが報告されています。

引用:国立研究開発法人 国立がん研究センター「大豆製品・イソフラボン摂取と糖尿病との関連性について」

つまり、食事から糖質を得ることで血糖値は急上昇しますが、同時に大豆を摂ることによって、体内でインスリンが円滑に作用してくれると言えるでしょう。このように、食事で積極的に大豆からイソフラボンを摂取すると、高めの血糖値を正常に近づけることが期待できます。

血糖値上昇を抑える!大豆を食事に取り入れる3つのコツ

血糖値の急上昇を防ぐためには、食事を食べる順番にも配慮が必要です。2018年フジッコ株式会社から、食事の最初に「蒸し大豆」を食べる、「大豆ファースト」が、食後の血糖値上昇の抑制に効果が得られるとの研究が発表されました。さらに、大豆ファーストは、少量でも満腹感を長時間継続する効果があり、食べ過ぎ防止にもつながるそうです。食事の最初に大豆のおかずを食べてから、なるべく最後に糖質を摂るようにすると、血糖値の上昇がゆるやかになることが期待できます。この大豆ファーストを活かすために、大豆製品を食事に手軽に取り入れるコツを、3つご紹介します。

飲み物として豆乳を取り入れる

料理に大豆を使うのはなかなか難しい、と感じる方は、飲み物として豆乳を取り入れるとよいです。食事の最初に飲むと、空腹が落ち着いた状態で食事を摂ることができるので、食べすぎ予防にもつながるでしょう。コーヒーや紅茶に牛乳を加えて飲む機会が多い方は、牛乳を豆乳に変えるだけで、無理のない範囲で、少しずつ始められます。

みそ汁やスープの具材に入れる

毎日食べるみそ汁や、スープなどの具材に、大豆製品を入れる方法もおすすめです。豆腐や油揚げ、厚揚げなどを最後に加えることで、負担なく食事に大豆を取り入れられます。また、食事に汁物をつける習慣がない場合は、豆腐や納豆のミニパックをプラスする工夫で、手軽に大豆を摂れるでしょう。

大豆を原材料とした食品に切り変える

普段食べているものを、大豆由来の食品に切り替えることもひとつの方法です。例えば、大豆ミートを使って調理したり、間食を大豆バーに変えたりするなど、食品を変更することで、大豆を摂る機会を増やせます。とくに、血糖値が上がりやすい糖質の食品から、大豆由来の食品への代替はおすすめです。ごはんを大豆に変えることは難しいですが、パンであれば、大豆や豆乳を材料に使った大豆パンが販売されています。普段購入する商品を、豆乳パンに変更するだけでも食事に取り入れやすくなるでしょう。

まとめ

今回は、大豆と血糖値の関係性や、食事に取り入れるコツを解説しました。毎日の食事に積極的に大豆を取り入れるのは、難しい方もいるかもしれません。しかし、普段の食事に大豆製品を加えたり、大豆由来の食品に変更したりするなど、ちょっとした工夫で手軽に摂ることが可能です。高血糖の状態が続いてしまうと、糖尿病などの生活習慣病のリスクにつながります。健康維持に役立てるためにも、負担のないものから本記事で紹介した内容をぜひ試してみてください。

かわぐち あきこ

かわぐち あきこ

管理栄養士。これまで保育園や栄養分野に特化した制作会社などに勤務。現在はIT企業に勤めながら、Webライターとして活動中。管理栄養士の経験や知識を活かし、食に関する情報をわかりやすくお伝えすることを大切にしています。

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